Azuki堂だより

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2010年9月1日(水) 富山県南砺市利賀村 SCOT観劇 五箇山合掌造り

今年も夏の終わりは富山県への旅でした。昨年の9月1日・2日は越中八尾の「おわら風の盆」を堪能しました。
 今年は8月28日・29日(1泊2日)の日程で富山県南砺市利賀村・利賀芸術公園でSCOT(SUZUKI COMPANY OF TOGA )サマーシーズン2010の最終日「シラノ・ド・ベルジュラック」野外劇場花火版を観劇してきました。

 話せば長くなりますので端折りますが、店主の住んでいる武蔵野市と友好都市の利賀村(2004年11月1日:東礪波郡の福野町、城端町、平村、上平村、利賀村、井波町、井口村と西礪波郡の福光町が合併して南砺市となった。)に演劇の活動拠点を置いているSCOT が12月に吉祥寺シアターで公演を予定していると聞きました。30年近く前に早稲田小劇場時代の鈴木忠志演出の「トロイアの女」を観たことがあったので「そういえば、利賀村で演劇祭をやっていると聞いたが・・・」と思いだし、ある人と話しているうちに、「ツアーを企画してみたら」となり、おっちょこちょいの店主は「そうだね」と走り始めてしまいました。
 なにもない状態で20人のツアーを計画したが、はじめは反応がなく、友人知人に「観劇と合掌村見学」に行こうと案内を出したところ、すこしづつ反応が出てきて、総勢14名の参加者が集まりました。当初は企画倒れに終わるのではないかと危惧したものの、多くの方の支援(SCOTの関係者・市の関係者の方)を受けながら旅行代理店に列車・バスの手配をお願いし実現することができたのでした。
 
 本当に楽しいツアーでした。平均年齢60・8歳の参加者14名。最初は少し緊張?していましたがお互い顔見知りもいたので、次第に打ち解けながら高岡駅へ。バスでは、新米のガイド見習い?が研修を兼ねてガイドしていましたが、頼りなさそうな案内でも、寛容な一行のおかげで笑いをさそい、和やかな雰囲気をつくりました。
 途中、小一時間程、五箇山相倉の合掌造りの村を見学。白川郷と比べると規模としては小さな集落でしたが、日本の農村の原風景といった趣に、それぞれゆったりとした時間を過ごしたようでした。
 民宿では、ご夫妻の心づくしの料理・囲炉裏端で焼いた岩魚の塩焼きや土地の珍しい食材をいただき、自己紹介をしながらおいしい・楽しい夕食時間を過ごしました。
 夕食後、バスで約15分。午後8時から、野外劇場での「シラノ・ド・ベルジュラック」を観に行きました。700名を超す観客。原作=エドモン・ロスタンの作品を鈴木忠志演出で、鍛え上げられた俳優たちの熱演、野外劇場の背面にある池の上に花火が効果的に打ち上げられ、「ヴェルディ作曲のオペラ「椿姫」の音楽とともに浮かび上がる男の死にかた、女の生き様。シラノの心意気を花火が彩る、利賀でしか見られない野外劇場版」を堪能しました。
 劇の終了後は、舞台で鏡割りが行われ、他の観客とともにご相伴に。
 ツアーとしては最適規模?の14名の参加を得て本当に心地よい、疲れを感じない旅ができました。
 
今年の夏は、店主にとって、小田急百貨店での「三省堂夏の大市」・「利賀SCOT観劇ツアー」と準備も含め、長い暑い夏でしたが、充実した夏を送ることができました。

 みなさんに感謝

2010年9月24日(金) 秋へ 戦後思想の名著

「暑さ寒さも彼岸まで」のとおり記録的な今年の猛暑の夏が一気に去り、秋がめぐってきたようです。
お知らせコーナーにご案内いたしましたが、「戦後の名著」と言われている書籍を集めてみました。
 「戦後思想の名著50・平凡社・2006年2月10日初版第1刷 岩崎稔・上野千鶴子・成田龍一 編」に選書された50点。
 帯には「過去を清算し、新たな再生を誓った60年の思想史が、私たちに何を残してくれたのかを総点検する試み。私たちは何を受け継ぐべきなのか?!」とあります。
 
また、前書きには「戦後思想史の遺産の目録を提示し、その新たな解読により、戦後思想の歴史的位相を測り、「名著」の再活性化を図る試みです。読者の方々が、本書を機縁として当の「名著」そのものに接していただければ、わたしたち編者にとってこれほどうれしいことはありません。」と編者のメッセージがありました。

 <「名著」そのものに接していただければ>と思い50点すべてはそろっておりませんが40数点また同じ著者の関連書籍も加えたミニフェアの試みです。
 戦後史・戦後思想・現代社会に関心を寄せている皆様の三省堂古書館Azuki堂へのご来店をお待ちしております。
 随時、関連書籍の補充を続けていきたいと思っております。

1 戦後啓蒙の成立と展開(一九四五年〜一九五〇年代)

柳田国男『先祖の話』花田清輝『復興期の精神』坂口安吾『堕落論』大塚久雄『近代化の人間的基礎』日本戦歿学生手記編集委員会編『きけわだつみのこえ』竹内好『現代中国論』着成恭編『山びこ学校』石母田正『歴史と民族の発見』丸山真男『現代政治の思想と行動』思想の科学研究会編『共同研究転向』久野収・鶴見俊輔・藤田省三『戦後日本の思想』

2 戦後啓蒙の相対化と批判(一九六〇年頃〜一九七〇年代)

谷川雁『原点が存在する』上野英信『追われゆく坑夫たち』宮本常一『忘れられた日本人』橋川文三『日本浪曼派批判序説』小田実『何でも見てやろう』色川大吉『明治精神史』大江健三郎『ヒロシマ・ノート』森崎和江『第三の性』梅棹忠夫『文明の生態史観』江藤淳『成熟と喪失 “母”の崩壊』吉本隆明『共同幻想論』村上信彦『明治女性史』石牟礼道子『苦海浄土』永山則夫『無知の涙』宇井純『公害原論』田中美津『いのちの女たちへ とり乱しウーマン・リブ論』国立市公民館市民大学セミナー編『主婦とおんな』網野善彦『無縁・公界・楽』鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』鶴見良行『バナナと日本人』高木仁三郎『市民の科学をめざして』

3 ポストモダン・ポスト冷戦・ポスト戦後(一九八〇年頃〜一九九〇年代)

山口昌男『文化と両義性』真木悠介『気流の鳴る音』柄谷行人『日本近代文学の起源』上野千鶴子『家父長制と資本制』西川長夫『国境の越え方』加藤典洋『敗戦後論』

その他各著者の関連著作 (売り切れの場合はご容赦ください。)
よろしくお願いいたします。

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