Azuki堂だより

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2014年2月1日(土) 2月 言葉 吉野弘

昨日(1月31日)NHKラジオの午後マリアージュを聴こうとスイッチを入れると、国会中継が流れている。流れるままに聴いていると質疑応答の言葉が耳障りに聞こえる。いわく「丁寧にご説明をする」「寄り添いながら政策を進めたい」「〜のわけであります」「しっかりとやっていくつもりです」どこか木で鼻を括る感が否めない。

最近亡くなった吉野弘さんの言葉でお口直しをしたくなりました。


赤い林檎の頬をして
眠っている 奈々子

<中略>

ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ。

自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう。

自分があるとき
他人があり
世界がある。

お父さんにも
お母さんにも
酸っぱい苦労がふえた。

苦労は
今は
お前にあげられない。

お前にあげたいものは
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ。

『奈々子』より

少し長い引用になりました。
新年のあいさつも申しあげないまま2月となってしまいました。
Azuki堂はまだまだ続ける予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

2014年2月28日(金) 古書店探訪 開店5周年 母

古書店探訪
昨晩は月一定例の古書店探訪に。店主よりほぼ10歳若い古書店仲間3人について古書店を巡る楽しい会です。京王井の頭線駒場東大前駅から3分の河野書店さんを訪れました。店舗入り口付近には均一本棚。店内に入ると、天井まで届く書棚に文庫・新書・人文書など様々なジャンルの、質の高い書籍が並ぶ。東大教養部が近くだからか洋書の棚も充実。レジ回りもすっきりしていて、古書店を持つならこんな店と思いました。同行の諸氏も「さすが河野書店さん」と。一時間ほどお邪魔して、店主河野さんが教えてくれたお店に。一人がスペイン旅行から帰ってきたばかりで、土産話を聞いたり、次は阿佐ヶ谷周辺、夏は名古屋に遠征したいねなどよもやま話。楽しいひと時を過ごしました。

開店5周年
本日2月28日でAzuki堂は開店5周年を迎えました。ため息ばかりの5年でしたが、古書店仲間の勉強会ではそれぞれが関心あるテーマを発表しあい、いろいろと刺激を受ける集まりに参加させてもらったりしています。商いはというと、声が小さくなってしまいますが。最近では「まあプラマイゼロですな」などとけむに巻いています。
三省堂古書市に出店したりしていますのでそこそこ忙しい時期もあります。昨年末には古書店仲間の一人にアマゾン出品のやり方を教示してもらい、「さあやるぞ」と思ったりしています。
いずれにしてもAzuki堂をご利用いただいた皆様、ホームページを訪れていただいた皆様に感謝申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。


◎2年前に心臓に発作を起こして2週間入院、その後順調に回復していたのですが、昨年の秋くらいから、何か旅立つ準備めいたことを言っていました。白内障の手術をして、また新聞が読め、テレビがよく見えると喜んでいましたが、2月10日の朝、91歳で母が逝きました。南無阿弥陀仏 合掌

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Akiary v.0.61